【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「医院長、さくらです」

「さくらか? 入りなさい」

「失礼します」

 わたしは医院長室へ入ると、お父さんの目の前に歩み寄った。

「どうした?さくら。何かあったのか?」

 わたしが入るなり、お父さんはそう聞いてきた。

「あのね、お父さん。ちょっとお願いがあるの」

「お願い?」

「うん」

 お父さんにも新婚旅行のことをちゃんと話さないとと思った。 お父さん、喜んでくれるかな……。

「何だ?お願いって」

「あのね、来月2日間休みが欲しいんだけど」

「来月? 何かあるのか?」

 お父さんは資料に目を通しながら、そう聞いてきた。

「うん。来月……わたしたち、新婚旅行に行きたいの」

「新婚旅行? いいじゃないか。来月はさくらの誕生日だしな」

 お父さんは喜んでいるのか、優しく微笑んでいた。

「うん。それでわたしの誕生日の日に合わせて、新婚旅行に行きたいの。……ダメかな?」

「何、ダメじゃない。せっかくの機会だ、行ってきなさい」

「本当? ありがとう、お父さん」

 良かった、新婚旅行OKしてくれた……。

「楽しんできなさい」
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