【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
患者のカルテを看護師に渡したわたしは、脳外科の医局に行った。
「お疲れ様です、救命の楠です」
「あれ?さくら先生、どうしました?」
脳外科の田代先生が、医局から顔を覗かせた。
「あ、田代先生……」
田代先生と会うと、本当に顔が美しくて驚く。
「さくら先生が脳外に来るなんて、珍しいですね?何かありました?」
と、田代先生は聞いてきた。
「あの、この前緊急搬送されてきた大谷さんのカルテ、見せてもらえませんか?」
「大谷さんのカルテ?」
「はい。ちょっと術後の経過が気になって……」
この前緊急搬送されてきた大谷さんという男性の患者さんのことが気になったわたしは、大谷さんの容態を脳外科に聞きに来たのだった。
「分かりました。ちょっと待っててください」
そのちょっと後、田代先生は大谷さんのカルテを持ってきてくれた。
「さくら先生、大谷さんのカルテです」
「ありがとうございます」
大谷さんのカルテを見せてもらうと、その後の経過は順調のようだった。
「大谷さん、順調みたいですね」
「ええ。バイタルも安定してますし、このままだったら明後日には退院できると思います」
そっか。良かった……。