【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「偉いですね、さくら先生」

「父が口を酸っぱくして言うんです。若い時こそ、きちんとやっておきなさいって」

 わたしはそう答えると、残りのサンドイッチを口の中に入れた。

「さすが医院長、ですね」
  
「なので年に一回は、検診を必ず受けるようにしています」

 確かに父も、そういうリスクがあることをよく分かっているからこそ、心配なんだと思う。

「偉いですね、さくら先生」

「ありがとうございます」

 食事を終えて少しすると、ホットラインが鳴り響いた。

「はい。楠海浜病院、救急救命センターです」



◇ ◇ ◇



 その日の夜、仕事を終えたわたしは、北斗さんの待つ家へと帰った。
 北斗さんは今日休みだと言っていたけど、今日は何してたのだろうか?

「ただいま、帰りました」

「お、おかえりさくら。お疲れ様」

「ありがとう、北斗さん」

 北斗さんは夕飯を作ってくれていたみたいで、キッチンからいい香りが漂ってきた。

「なんか、すごくいいニオイします」

「今日はさくらの好きなオムライスにしたぞ」

「え、オムライス?」

 やったぁ。オムライス大好き……!
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