【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「明日の新婚旅行も、目一杯楽しもうな」
「うん、明日最終日だもんね」
そして明日は……わたしの誕生日。
一年に一度の誕生日を、こうして北斗さんと過ごすことが出来ると思うと……とても嬉しい。
絶対にいい誕生日になると、そう確信している。今までのどんな誕生日よりも、きっと素敵な誕生日になると思っている。
明日になるのが、とても楽しみだな……。
✱ ✱ ✱
「おはよう、さくら。 誕生日、おめでとう」
「……ありがとう、北斗さん」
そして迎えた翌日、朝一番に北斗さんは誕生日を祝ってくれた。
「さくら、これ。 誕生日の花束」
「えっ……! ありがとうございます」
そしてわたしに、北斗さんはバラの花束をくれた。年齢の25本分の、赤いバラの花束を。
それがあまりにも嬉しくて、朝からちょっと泣きそうになった。
「バラの花束なんて……わたし、初めてもらいました」
赤いバラの花束をもらえるなんて、人生の中であるんだなって思った。 赤いバラの花束なんてベタなのかもしれないけど、嬉しくて仕方なかった。
「喜んでもらえて良かったよ」
「本当に、嬉しいです」