【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
一昨日、工事現場から落下して骨盤を骨折した山崎さんという患者さん。運ばれてきた時は意識不明の重体になっていて、頭からの出血が止まらなくて一時は心拍停止になった。
脳外科の田代先生にコンサルをお願いして何とか一命を取り留めたものの、未だに意識は戻らない。骨盤を骨折しているため、コルセットで固定しているが、意識が戻らない。
だけど毎日、奥さんがお見舞いに来ていて、奥さんはいつも心配そうに山崎さんのことを見つめている。
「山崎さん」
「……先生」
「少し休んでください。……もうずっと、寝てないですよね?」
わたしは山崎さんの奥さんの肩に手を置いて、そう伝えた。
「でも……」
「山崎さんのことは、わたしたちが見ていますので、安心してください。……どうぞ仮眠室がありますので、そちらで少し休んでください」
わたしがそう伝えると、山崎さんの奥さんは「……じゃあ、そうさせてもらいます。すみません」と言って病室から出ていった。
「山崎さん、奥さん毎日来てくれてますよ」
わたしは眠ったままの山崎さんに、そう伝えながらバイタルを確認した。