【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「バイタル、異常なし……と」
カルテに体温などを記入しながら、山崎さんのことを見つめる。
工事現場の同僚の話だと、山崎さんが事故に遭って緊急搬送された日は、奥さんの誕生日だったらしい。妻のために早くケーキを買って帰るんだと、嬉しそうに言っていたらしい。
そんな矢先、山崎さんは事故に……。不覚にも奥さんの誕生日を祝うことも出来ずに事故に遭ってしまったんだ。……悲しすぎる。
「さくら先生、急患です!」
「分かりました。すぐ行きます!」
看護師に呼ばれたわたしは、すぐに処置室へと向かった。
「四方木先生、お待たせしました!」
「さくら先生、この患者、脳内に血腫があるかもしれません。もしかしたら出血してるかも」
「分かりました。わたしが対応します」
わたしは「ルートを確保します。アドレナリン持ってきてください!」と看護師さんに伝えた。
「はい!」
「本田さん、念の為エコー持ってきてください!」
「は、はい!」
わたしはルートを確保し、そのまま回頭手術を始めるため麻酔をかけた。
「麻酔かけます。RBC投与してください」
「はい!」