【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「さくらせんせ」
「あ、田代先生……」
久々に食堂でうどんを食べていると、脳外科の田代先生もカツカレーの乗ったトレーを片手に話しかけてきた。
「今お昼?」
「はい。なんかバタバタしてて、お昼ご飯食べ損ねてしまって」
そう言ったわたしに、田代先生は「ここ座ってもいい?」と聞いてきた。
「どうぞ」
「じゃ、失礼します」
わたしの目の前に座った田代先生は「いただきます」と手を合わせてカツカレーを食べ始めた。
「田代先生、この後オペなんですよね?」
「そう。カテーテル手術」
「カテーテル、ですか」
とわたしが聞くと、田代先生は「患者のセカンドオピニオンだよ。なるべく早く仕事に復帰したいらしい。 それで開胸ではなく、カテーテル治療にした」と答えた。
「そうなんですか。……セカンドオピニオン、ですか」
「ああ」
セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況や次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることだ。