【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
まさかその患者さんが、セカンドオピニオンの患者とは……。
「その患者さん、何の病気なんですか?」
「肺気胸だよ。片方の肺はすでに肺気腫になっていて機能していないんだ」
「……そうなんですね」
田代先生はそう言うと、カツカレーに乗っているカツを思いっきり口に入れた。
「カツ、うまっ!」
そして嬉しそうにそう言っていた。
「田代先生、ゆっくり食べてください。喉につまらせたら大変ですよ?」
と言うと、田代先生は「がっつきすぎた」と言って水を飲んでいた。
「所でさくら先生」
「はい?」
「さくら先生、新婚生活はどう?」
田代先生はわたしにそう聞いてきた。
「どう、と言われても……」
普通に生活してるだけだからな……。
「だってさくら先生の旦那、すすきの総合病院の先生なんでしょ?しかも同じ救命の」
「ま、まぁ……はい。そうですね」
「その様子じゃ、新婚生活楽しんでるみたいだね」
田代先生はそう言うと「じゃあ、俺行くね。またね、さくら先生」と言ってトレーを片手に食堂から立ち去った。
「楽しんでる……のかな?」