【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
救命医でも、妻です。
⑤夫婦で、デートです。
「さくら先生、お疲れ様でした」
「お疲れ様です」
その日一日の仕事を終えたわたしは、そのまま病院を出た。
「さくら!」
「え、北斗さん!?」
帰宅しようとした時、北斗さんが駐車場でわたしを車の中で待っていた。
「迎えに来たぞ」
「え、もう終わったんですか?」
「ああ。他のスタッフに引き継いだから、今日はもう終わりだ」
北斗さんに「乗れよ」と言われて、わたしは「よろしくお願いします」と車の助手席に乗り込んだ。
「さくら、今日も疲れたか?」
「……まぁ、そうですね」
「だよな。 本当に体力使うよな、救命は」
北斗さんは片手でハンドルを握りながら、そう言っていた。
「北斗さんって……。救命医ですけど、外科医とかになりたいっていうのはあったんですか?」
「外科医?そうだな……。外科医はないかな」
「そうなんですね」
もし北斗さんが脳外科医だったら……。すごい脳外科医になっていた気がするよ。
「俺はずっと救命医になりたかったからな。それ以外の道は考えられなかったな」
「……わたしもです」
わたしも、ずっと救命医になりたかった。