【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「どうしたんですか!?」
「そ、そこに……血だらけの人が……!」
近くにいた女性に話しかけると、その女性はまっすぐ前を指差した。
「ええっ!?」
血だらけの人……!?
「さくら、あそこだ! 行くぞ!」
「はい すみません、すぐに救急車を呼んでください。わたしたちは、医者です」
「は、はい!」
わたしは近くにいた人に救急車を呼ぶように伝えて、そのまま倒れている人の方に走った。
「大丈夫ですか?」
と声をかけるも、反応はなかった。
「……さくら、脈が弱い。血圧も低下してるな」
「北斗さん、出血が……!」
そこに倒れている人は、腹部を刃物で刺されていて、出血が止まらなかった。
「腹を刺されてるな。……まずい。意識も混濁してる」
「まずは止血ないとですね」
「そうだな。……さくら、カバンからタオル取ってくれ。後警察にも連絡してくれ」
わたしはそう言われて「分かりました!」と言って、すぐに警察に電話した。
「警察、後10分くらいで到着するそうです」
「分かった。さくら、悪い。水買ってきてくれ。後、ここには誰も近付けるな」
「分かりました」