【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
わたしは急いで水を買い、北斗さんに「北斗さん、水です!」手渡した。
「さくら、止血する。手伝ってくれ!」
「はい!」
だけどタオルでは足りなくて……。出血が止まらなくなっていた。
「どうしよう……。出血が……」
出血点を確認して止血しないと、この患者は……。死んでしまう。
「……よし」
わたしは着てきたワンピースの袖を引きちぎり、北斗さんに渡した。
「おい、さくら!何してるんだ!?」
「北斗さん、これで止血してください!」
「でも、お前……!」
驚くような表情をする北斗さんに、わたしは「いいから!時間がありません!」と言った。
「……分かった」
方向さんは渋々、治療を始めた。
「北斗さん、脈が触れません……!」
「まずい。早く搬送して治療しないと……」
そう思ったその時、救急車のサイレンが聞こえてきた。
「救急車きました!」
「急いでこっちに連れてこい!」
「はい!」
わたしは走って救急車から降りてきた隊員を現場まで連れて行った。
「お待たせしました」
「血圧低下してる。急いで搬送します!」