【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
聞きたいこととは、何なのだろうか……。
「はい。……少し、よろしいですか?」
「……あ、はい」
わたしたちは一度、中庭へと出た。
「あの、聞きたいこととは……?」
とこちらから問いかけると、警察の方はこう切り出してきた。
「先日こちらに搬送された、患者さんについてです」
「……え?」
その患者さんが、どうかしたのかな……?
「あの時の患者さん、名前は分かりますか?」
「はい。……篠田幸哉(しのだゆきや)さんです」
「篠田……。やはりそうですか」
警察の方は、そう口にした途端に表情が変わった。
「……その患者さんが、どうかされたんですか?」
その直後、わたしは静かにそう問いかけた。
「その患者……DVの加害者、なんですよ」
「え!? DVの加害者……!?」
え、どういうこと……? 篠田さんが誰かにDVをしていたということ?
「はい。彼は日常的に交際相手に暴力を振るっていたそうです。 彼の交際相手から、警察に被害届が出ていました」
「被害、届……」
そんな……。暴力を振るっていたなんて、信じられない……。