【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「なるほどな……。それで警察が」
北斗さんの言葉に、わたしは「はい。警察にその被害受けた女性から、被害届が出ていたようですし……」と答えた。
「そうか……」
北斗さんはただ黙ったまま、唐揚げを食べていた。
「すみません。こんな話……」
とわたしが伝えると、北斗さんは「いや、話してくれてありがとうな」と言ってくれた。
「……篠田さん、その女性の後を付けていたそうなんです。 それであの日、彼女につきまとわないでほしいと言われて逆上して、その返り討ちに自分が刺されてしまったみたいで……」
こんな話、残酷すぎて話すだけで切なくなる……。
「なるほどな……。自業自得、とでも言うのか?」
「……まぁ、そうなりますね」
「しかしまぁ、あの日一度はその患者が死にかけたのは確かだしな……。何て言うか複雑、だな」
北斗さんの言葉にわたしは思わず「……はい。わたしも、そう思います」と答えた。
「その女性は警察の話だと、恐らく正当防衛が認められるだろう。……とのことでした」
そして刺してしまった彼女もまた、加害者であり、被害者になるんだよね……。