【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「……ありがとうございました」
そのお礼を言った直後、警察官数人が中庭へとやってきた。
「お疲れ様です。引き渡しに来ました」
「……篠田さんのこと、よろしくお願いします」
「では、後はこちらでお預かりさせて頂きます。ご苦労様でした」
警察への引き渡しが終わると、わたしはそのまま医局へと戻った。
「さくら先生、お疲れ様でした」
「あ、お疲れ様でした」
まさか命をかけて助けた患者さんが、犯罪者だったなんて……。助けた時は夢にも思ってなかった。
「大変でしたね、色々と」
「……ですね」
「警察にはもう?」
「はい。さっき引き渡しました」
後は警察の仕事だから、わたしたちは何も関係ない。……何も。
「そうですか……。どうなるんでしょう、篠田さんは」
「……分かりません。 でもきっと、殺人未遂や暴行罪などで起訴されると思います。……そのくらい、罪のあることをしたんです。篠田さんは」
篠田さんのこれからの人生、どうなるのか分からない。きっと大変なことになっていくだろうな……。
だけど何があっても諦めないで、前を向いて生きてほしいな……。