【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
誰かのために生きること。

⑨医者としての葛藤



 それから数日後の夕方。救命のホットラインが鳴り出した。

「はい。楠海浜病院、救急救急センターです」

「ドクターカーの要請をお願いします!」

 その日久しぶりに、ドクターカーの要請が来たのだった。

「何があったんですか?」

「突然ビルが崩壊し、負傷者が多数います! 重傷者の数も多いため、ドクターカーを要請します!」

 負傷者多数……。どのくらいいるのだろうか。

「分かりました。負傷者の大体の人数は分かりますか?」

「ザッと見た感じ、20人以上だと思われます!ビルの中にも取り残された人がいるため、今レスキュー隊が捜索活動及び、救助活動を行なっています!」

 20人以上……?! そんなにいるの?

「分かりました!すぐにドクターカーを出動します! 四方木先生、すぐに準備をお願いします!」

「分かりました!」

 ホットラインを切ったわたしは、四方木先生や他の救命の先生を連れて、ドクターカーですぐに現場まで向かった。
 現場に到着してすぐ、ドクターカーを降りたわたしたちの前には、悲惨な状況が現れていた。
 目の前は煙で覆われ、崩壊したビルは跡形もなくなっていた。
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