【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「はい!」

 そしてその時、わたしのスマホが鳴り響いた。

「はい。楠です」

「さくら先生、こちら赤タグの人が三名いらっしゃいます。そちらはどうですか?」

 電話してきたのは、四方木先生だった。

「こっちは黄色タグと緑のタグの人は救護室に運んでもらいました。 ですが今一名、容態が悪化しました。腹腔内に血液が溜まって、意識レベルが低下しています。今から緊急オペをします」

 わたしは電話でそう告げながら、消毒をしていた。

「分かりました! 俺も急いで合流します!」

「お願いします」

 わたしはすぐに電話を切り、メスで腹部を開いた。

「本田さん、バイタルは?」

「血圧72の60です。脈弱くなっています」

「本田さん、ペアンください」

 すぐにペアンで腹部を開いていく。そしてその瞬間、腹部から大量の出血が流れ出てきた。

「……ダメだ」

「先生!血圧30まで低下しています……!」

「すぐにRBC10単位入れてください!」

「はいっ……!」
 
 サテンキーで止血しようとしても、出血が多くてなかなか出血部位を確認することが出来ない。
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