【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「すいません。ガーゼください!」
「は、はい!」
ガーゼで抑えても、出血部位を見つけなければ止血は出来ない。
もしこのままだと、出血多量でこの患者は助からない……。
「っ……見えない……」
出血部位を確認出来ないまま、時間だけが流れていく。
「先生!また血圧低下してます……!」
「輸血全開にしてください!」
「はい!」
どこ……。損傷部位はどこなの……。お願いだから、見つかって……。
「先生、血圧戻りません……!」
「どうしよう……」
出血部位さえ見つかれば、すぐに止血出来るのに……。こんな時に限って見つからない。
流れ出すその血液ばかり目に入ってしまい、分からない……。
「先生、心停止です……!」
「……っ!」
心停止を告げるアラームが、ついに鳴り出してしまった……。
「本田さん、アドレナリン追加してください!」
「はい!」
急いで蘇生しなきゃ……! じゃないとこの患者は……。
そう思った、その時だった……。
「さくら!」
「北斗さん……」
目の前には、北斗さんがいた。
「何してる!急いで止血するぞ!」