【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「そうですね……。黒、ですかね?」
白のワンピースは汚れが見立ちそうだし、黒の方がいい気がした。
「黒か。 よし、分かった。黒を買うか」
「でも、いいんですか?」
と問いかけると、北斗さんは「いいんだよ」と答えてレジへと行ってしまった。
会計を済ませた北斗さんは、そのワンピースの入った紙袋をわたしに手渡してくれた。
「ほら、さくら。買ってきた」
「ありがとうございます。北斗さん」
お礼を言うと、北斗さんは「今度は破くなよ」と笑いながら言ってきた。
「はい。気を付けます」
「よし、次あそこの店行くか」
「はい」
紙袋をを持ってくれる北斗さんだけど、その反対の手はわたしの手を握っていた。
その左手に嵌められた結婚指輪を見ながら、わたしは一時の幸せみたいなものを感じていた。
「このバスタオル、フワフワしてて触り心地いいな?」
「そうですね。確かに、フワフワしてる」
「さくら、これ買わないか?」
「いいですよ」
バスタオルの手触りがあまりにも良かったため、わたしたちはそのバスタオルを二枚買うことにした。