【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「……はい」
思わず北斗さんの言葉に、クスリと笑ってしまった。
「さ、そろそろ帰るか。さくら二号を連れて」
「はい。帰りましょうか。 さくら二号を連れて」
ゲームセンターを出たわたしたちは、さくら二号を連れて家に帰ることにした。
「さくら。さくら二号、抱えててくれ」
助手席に乗るなり、北斗さんはさくら二号をわたしに渡してきた。
「はい。分かりました」
シートベルトを締めた後、わたしはさくら二号を抱えた。
「さくら、やっぱりさくら二号が似合うな」
「そうですか?」
「仕方ない。さくら二号は、さくらの所に置いといてやるか」
そう言われたわたしは「ええっ、いいです!北斗さんの所に置いてくださいよ」と言い返した。
「さくら二号は、さくらの所にいたいんだってよ」
「ええっ」
まさかさくら二号、押し付けられた……?
「可愛がってやれよ、さくら二号」
「北斗さんこそ、可愛がってあげてくださいよ?さくら二号」
わたしがそのぬいぐるみの顔を北斗さんに向けると、北斗さんは「分かった分かった。可愛がってやる」と言いながら、ぬいぐるみを撫でた。