悪魔と人間
☆☆☆
彼女の名前は飯田カレンと言った。
「漢字で可憐ならまだわかるけど、カタカナでカレンだなんて変でしょ」
カレンはそう言いながら、ナプキンで口元を拭いた。
「そんな事ない。素敵な名前ですよ」
幸男はそう言うと、大きく二度頷いた。
「そうかしら? カレンなんて、カレンダーみたいじゃない?」
カレンの言葉に、幸男は思わず声を上げて笑った。
それにつられてカレンも笑う。
平日のホテルは人が少なく、ラウンジで昼食をとっているのも二人を入れてほんの数人だった。
「幸男さん。私でよかったら、お付き合いしてくれません?」
突然のカレンの言葉に、幸男は自分の耳を疑う。
「あの、突然だとは思います。だけど……、会った瞬間から、惹かれてたんです」
頬を赤らめ、俯き加減で言うカレンはとても愛らしかった。
たとえそれが演技であって自分の金目当ての行動であっても、幸男は男だ。
ここで断る理由なんか何一つない。
「もちろんです。僕も、惹かれてたんです」
それからは早かった。
彼女の名前は飯田カレンと言った。
「漢字で可憐ならまだわかるけど、カタカナでカレンだなんて変でしょ」
カレンはそう言いながら、ナプキンで口元を拭いた。
「そんな事ない。素敵な名前ですよ」
幸男はそう言うと、大きく二度頷いた。
「そうかしら? カレンなんて、カレンダーみたいじゃない?」
カレンの言葉に、幸男は思わず声を上げて笑った。
それにつられてカレンも笑う。
平日のホテルは人が少なく、ラウンジで昼食をとっているのも二人を入れてほんの数人だった。
「幸男さん。私でよかったら、お付き合いしてくれません?」
突然のカレンの言葉に、幸男は自分の耳を疑う。
「あの、突然だとは思います。だけど……、会った瞬間から、惹かれてたんです」
頬を赤らめ、俯き加減で言うカレンはとても愛らしかった。
たとえそれが演技であって自分の金目当ての行動であっても、幸男は男だ。
ここで断る理由なんか何一つない。
「もちろんです。僕も、惹かれてたんです」
それからは早かった。