悪魔と人間
幸男は無意識の内に包丁を手に取り、裸足のまま外へ出ていた。
行き場所は、もちろんカレンの家。
カレンの家からは、いつもの揚げ物の匂いはしてこなかった。
その代わり、外にまで聞こえる大きな笑い声と自分をバカにするカレンの声が響いてきた。
「あんなオヤジに抱かれたんだからこれくらいはもらわなきゃね。今思い出しても吐き気がするわ」
「よくやったわカレン。これだけあれば当分二人で暮らしていける。早く、こんな家出ましょ」
「そうね。パパが帰ってこないうちに早く……」
そこで、カレンが言葉を失った。
なぜなら、幸男がキッチンの入り口に立っているのが目に入ったからだ。
行き場所は、もちろんカレンの家。
カレンの家からは、いつもの揚げ物の匂いはしてこなかった。
その代わり、外にまで聞こえる大きな笑い声と自分をバカにするカレンの声が響いてきた。
「あんなオヤジに抱かれたんだからこれくらいはもらわなきゃね。今思い出しても吐き気がするわ」
「よくやったわカレン。これだけあれば当分二人で暮らしていける。早く、こんな家出ましょ」
「そうね。パパが帰ってこないうちに早く……」
そこで、カレンが言葉を失った。
なぜなら、幸男がキッチンの入り口に立っているのが目に入ったからだ。