俺が好きなのは、世界一可愛い君
一樹のとんでもないカミングアウトに、光と2人、昼食をほとんど食べ損ねた昼休みだった。



しかも、教室に戻るとき
「誰だか知らねぇけど、お前も幼なじみとガンバれよ」



と声をかけられ、厳密には幼なじみではないものの、こいつには一生敵わないと悟ったのだった。



それからは特にいつも通りなんの変哲もない1日を過ごした。



気だるい教師の話を終え、帰ってよしの合図を皮ぎりに、俺は待ってましたといわんばかりに教室を飛び出し走り出す。



一樹たちをはじめとした、クラスメートの奴も、最初は何を急いでいるのかと質問してきたりもしたが、今ではさほど驚かれることもない。



「あぁまたあいつか」


程度のもので、たまに廊下を走るなと、校内唯一の禿げた教師に叱られるだけだ。



ただその理由を思い出すと、いまだに苦笑してしまう。

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