俺が好きなのは、世界一可愛い君
光が言うには、俺が急いでどこかに行くのを詮索されないよう、その理由をでっち上げて噂として流したということらしい。



じゃあなんといって噂してまわったのかという話なのだが



唖然とする俺らを尻目に、光は続けた。



『何せ、楓がしつこく追いかけ回される一因が俺と一樹にもあるみたいだし……放課後名物楓くんの噂も、風化する前にお前の秘密がバレちゃいそうだしな!』



お前どんくせぇし!



とうししと笑ったかと思うと、親指をグッと立ててもう一度笑った。



確かに、平凡な俺が2ヶ月も追いかけ回されている理由はこの2人にある。



この2人も俺が急いでどこかに行く理由を知らないということを知らない女子が、この2人に関係すると勝手に期待して追いかけてくるのだ。



そこで話終えた様子の光を見て、俺は何も言えずにいた。

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