俺が好きなのは、世界一可愛い君
怜ちゃんは、俺が話終えるまで、じっと黙って聞いていた。



……というか、怜ちゃんはさっきからずっと黙っている。



怜ちゃんの笑った顔に良く似合うと思って選んだネックレスを見つめたまま、一言も発さない怜ちゃんを見ていると、不安でいっぱいになる。



「あっ」



ようやく動きを見せた怜ちゃんの右手は、目元へと引き寄せられていく。



「え……!?」



怜ちゃんの顔は、気付かないうちに、涙でぐちゃぐちゃになっていた。



怒った? それとも俺に嫌われてないと知って安心した? もしくは泣くほど迷惑だった?



いや、怜ちゃんはそんなこと思うような人ではない。



じゃあ……



小さな期待に、胸が高鳴る。

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