幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 9月もそろそろ終わり。


 置き手紙だけ残して、璃音がいなくなって以来、彼からの連絡は一度もなかった。

 あの翌日、鈴木さんが菓子折りを手に、璃音の荷物を受け取りに来た。

「あの、璃音は?」

「自宅に戻りましたよ。こちらにお世話になるときは、あれだけごねまくっていたのに。
今度はひとりになって、役作りに集中したいって。まあ、璃音の気まぐれは今に始まったことじゃないんですけどね」

「スマホに連絡しているんですけれど繋がらなくて」

「ああ、セブで海に落として壊してしまって。
今、璃音の手元にスマホないんですよね。わたしも不便してます。でも今日、明日にはつながるんじゃないかな」
 
 でも、璃音は番号ごと変えてしまったらしく、以前の番号にかけても繋がらなかった。
 LINEもブロックされていた。
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