幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 実は、彼とわたしは幼なじみなのだ。

 育ったのは、都下ではあるけれど周囲を山に囲まれた 風光明媚(ふうこうめいび)な地区。

 別の言い方をすれば、「東京都」と名乗っては申し訳ないような田舎町。

 そこに住む子供たちは保育園から中学校までずっと一緒。
 人数も少ないので、みんな顔見知り。

 その上、璃音の家はわたしの家の筋向かいで、母親同士がとても仲よし。

 幼いころはどっちかの家で一緒に過ごすことが多く、本物の姉弟みたいに育った。

 3歳年上のわたしは、生後間もないフニャフニャのサルみたいな璃音も知っている。

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