幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
「コメント見ておいてくださいよ」
 そう言いながら、鈴木がiPadでアーカイブ画面を開いた。

 コメントの内容はほぼ一緒。
『大好き』『かわいい』
 ありきたりな言葉。
 それから大量のハートマーク。
 見るまでもねえな。

「ちゃんと最後まで見てくださいね」

 おれの考えはお見通しみたいで、鈴木に釘を刺される。
 
なんでわかっちゃうんだよ、まったく。

「はいはい、ファンからのありがたいお気持ち、ちゃんと受け止めなきゃーー」

 そう答えたとき、あるコメントが目に飛び込んできた。

 それを見たとたん、頭に血が上った。
 全身の血が逆流したかと思った。

 まじかよ。

「外に車、待たせてありますよ」

 鈴木がニヤッと笑った。

「サ、サンキュ」

 次の瞬間。
 おれは控室を飛び出していた。
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