幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 わたしは璃音の手を取り、一緒にリビングに向かった。

 ついさっきまで、ここでスマホのなかの璃音を観ていたのが、本当に嘘のようだ。

 あれほど会いたかった璃音が目の前にいる。
 なんだか呆然としてしまい、その事実に心がなかなか追いついていかない。

 璃音をソファーに座らせ、コーヒーを淹れるためにキッチンに向かった。

 少し落ち着いたらしい。
 璃音はいつもの声で話をはじめた。
 
「さっきコメントくれただろう。それを読んだら居ても立ってもいられなくなって、飛んできた」

「読んでくれたんだ。良かった」

「ちさ姉」
「ん?」

 璃音が少しだけ不安気な声で訊く。

「あのコメントは本心ってことでいいのか? 本当に好きなの? おれのこと。弟としてじゃなく?」
 
 
< 144 / 150 >

この作品をシェア

pagetop