幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 わたしは璃音の隣に座り、耳元で「そうだよ」と答えた。

「……夢見てるみたいだ」

「それはこっちのセリフ」

 その言葉に、璃音はぎこちなく微笑んだ。

 それから、わたしの顎を指で支え、強引に自分の方に向けると、また唇を重ねてきた。

 柔らかな璃音の唇の感触に、胸が詰まって熱くなってくる。

 何か言わないと涙が溢れそうで、唇を合わせたたまま、そっと囁いた。

「このキスは……アリサの代わりじゃないよね? ドラマの練習じゃないんだよね」

 璃音は一旦唇を離すと、頬にかかっていたわたしの髪を耳にかけ、耳たぶをそっと食み、そして囁いた。

「違う。これが本番だよ」
「本番?」
「ああ、好きな人と気持ちが通じ合った、本物のキスだから」

「璃音……」

 もう、だめだ。我慢できない。
 幸せすぎて、涙が溢れてくる。

「会いたくてたまらなかった。璃音がここを出て行ってからずっと」

 璃音はわたしの頰を伝う涙を指でぬぐい、そこに唇で優しく触れた。

「知紗、好きだ。もうずっと、ずっと前から……好きで好きで苦しくて……」

 
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