幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜

　で、その翌朝の出勤前。

　璃音のマネージャーの鈴木さんが荷物の詰まったスーツケースとともにやってきた。

「璃音はあなたとの同居が無理なら、ドラマ降板するって聞かないんです。ゴールデンの主演を、ですよ。いくら璃音と言えども、こんなチャンスはなかなか回ってくるもんじゃないんです。無理は承知の上ですが、なんとかお力添えいただけないでしょうか。とにかく一度言い出したら、相手が社長だろうがプロデューサーだろうが、まったく言うことを聞かなくて……」

　そう言って、平身低頭、土下座する勢いで頭を下げられて、泣きつかれた。

　あーあ、苦労してるんだろうな、この人。
　なんといっても、世界はみんなおれのためにあると思ってる璃音の担当、だもんな。