幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 それをわざわざ自分の手で、余計に遠い存在にしちゃうなんて。

 この、「好きだ」って気持ちをどうしてうまく伝えられないんだろう。
 そのもどかしさを、これまた最悪なことに、おれは本人にぶつけてしまった。

 彼女の顔を見るたびに「ブス」とか「デブ」とかの覚えたての悪口をぶつけたり。
 手も出した。
 髪の毛を引っ張ったり、腕や背中を叩いたり。

 まあ、あのころのことを思い出すと、嫌われてもしかたないよな、とは思う。

 で、ちさ姉が中学に上がると、部活や勉強が忙しくなって、口をきく機会がめっきり減った。



 そして、世界が終わりを迎えたんじゃないかと思うほどのショッキングな日がやってきた。
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