幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 あれはおれが中1の、夏祭りの夜のこと。

 会場で見かけたちさ姉は、水色の地に色とりどりの朝顔の柄のゆかた姿。
 アップにした髪型もよく似合ってて。

 いつもとはぜんぜん違って、大人の女みたいに綺麗だった。

 そのとき(ひらめ)いた。

 そうだ。帰りが一緒になるようにして、ちさ姉がひとりになったら「ゆかた似合ってるじゃん」ってほめまくろう。
 そして、小学校のころのことをちゃんと謝って、また仲良くしてほしいって頼もう。

 それで、連れのダチと夜店を冷やかしているあいだもずっと、ちさ姉の姿を目の端で追いつづけた。
 そして、彼女が会場を離れたとき、そのあとを追った。
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