幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
「好きな相手とデートしたくても、つねに人目を気にしなきゃいけないんだぜ」

 えっ? 好きな相手?

 わたしは思わず聞き返していた。
「好きな人、いるの?」

「いるよ」
 璃音は、なんで驚くんだ、とでも言うようにあっさり答えた。

 一瞬ドキっとした。

 ああ。
 でもよく考えれば、いない訳がないか。
 璃音だって、ハタチを過ぎた立派な大人なんだから。

 逆になんで、璃音に好きな人がいるのを意外に思ったんだろう。

 こうやって、ふたりで川べりの散歩なんかしてると、子供時代に戻ったみたいでつい忘れてしまうけど、彼がいる世界は美男美女だらけの芸能界。

 好きな人のひとりやふたりいないほうがおかしいのに。
< 47 / 150 >

この作品をシェア

pagetop