幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
***

 少し遅れて食べ終わったおれは、自分の食器を持って、ちさ姉と腕が触れ合うぐらいの距離まで近づいた。

「自分の分はやるけど?」

 そう声をかけると、ちさ姉は一瞬びくっと身体を震わせた。

「いいよ。そこにおいといて」
 とか、いつもより頼りない声で答える。

 なんだよ。
 めちゃくちゃ意識してるじゃん。

 さっきは、おれがいなくてせいせいする、とか言っといてたくせに。

 やっぱ、昨日の壁ドン効果、あったんじゃね?
 
 なあ、知紗。
 早く認めろよ。
 おれの事、なんか気になり出したってさ。

 そしたら、速攻で世界で1番、幸せな女にしてやるのに。

 ったく、素直じゃねえんだから。
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