幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 まあ結局、その心配は単なる取り越し苦労に終わったんだけど。

 予想に反して、璃音の態度は変わらなかった。

 5年前のお正月。
 デビュー以来はじめて、地元で会ったとき。

 よそよそしい顔をされるのかな。
 そう思って、ちょっと身構えた。

 でも、璃音はこっちが拍子抜けするぐらい、以前とまったく同じ。
 「おう、ちさ姉。元気でやってた?」とか気軽に声をかけてきて……

 すごく嬉しかった。

 璃音がわたしの可愛い弟のままでいてくれたことが。

 
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