星のような君の隣にいたい。〜番外編〜
翔に礼を言って

家に帰り、

俺は急いで手紙を開けた。

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蓮へ


改めて書くことも特にないけど、

一応、書いてやってます。

なんて嘘だけど

蓮とは結構色々

話している気がして

案外思いつかないんだ。

蓮へ手紙を書き始めて

1時間、まだ何も思いつかない。

そろそろ書くのを

諦めようかと思ったけど

翔にあるのに俺にはないなんて

どういうつもりだよって

怒りそうだから

頑張って書いてみるよ。

蓮とは中学で知り合って、

照れるけど親友だと思ってる。

それにお前のことが羨ましかった。

明るくて裏表がない、

病気を隠してる俺とは違う、

そんな蓮が羨ましかった。

中学の頃は殆ど

翔と蓮と3人で遊んでたけど

本当は何回も蓮に

病気のことを伝えようと思った。

けど、そうしたら

お前がお前じゃなくなるようで

嫌だった。

気を使って激しい遊びなんて

やめて、蓮と楽しいことが

出来なくなる気がした。

生きている間は言わなかったけど

中学を卒業して

蓮の連絡先を消した。

それは知ってるよな?

(気づかないほど

バカじゃないだろ?)

理由は病気の事を

話してしまいそうだったから。

それだけ。

でも高校生になって、

もう一度会えて、

めちゃくちゃ嬉しかった。

嬉しくて、嬉しくて

つい、口が滑ったけど。

病気のことを話したけど

蓮が変わらなくてよかった。

これからも翔の友達でいてやって。

あいつ、友達いないから。

俺がいなくなったら

ひとりぼっち。

それから、朝日ちゃんと

仲良くね。

お前の彼女に

なってくれる子なんて

これから絶対いない。

(断言しとく)


冗談はこのくらいにして、

翔と陽葵の事、頼んだ。

そして蓮も幸せになれ。

じゃあ、伝えたい事は書いたし、

そろそろお別れだ。

俺はお前の友達で

いれて幸せだったよ。

ありがとう。

大神優希

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