彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
そう思い直したけれど、そんな期待は簡単に打ち砕かれてしまった。
「飯田さんと仲良くしてる子?」
「そうそう!」
飯田さんとは雪ちゃんのことだ。
A組はつくの並びが出席番号順になっていないので、偶然隣になった雪ちゃん。
「なにが変なの?」
「今朝さ飯田さんの席に座ってたら、いきなり『雪ちゃん』って声かけてきたんだよ。全然違うのにさ」
あ――。
今朝間違えて声をかけてしまった子だと気がついた。
全身が冷たくなって行くのを感じる。
「なにそれ、ちゃんと顔見てなかったってこと?」
「たぶんそうだよね。それか、元々飯田さんの顔を覚えてなかったとかさぁ」
「えぇ、それってどうなの?」
「ね? 友達じゃないよね」
2人はメーク直しでもしていたのだろう、トイレに入ることなくクスクスと笑い声だけを残して出ていくのがわかった。
『友達じゃない』
その言葉がいつまでも私の脳裏に残っていたのだった。
「飯田さんと仲良くしてる子?」
「そうそう!」
飯田さんとは雪ちゃんのことだ。
A組はつくの並びが出席番号順になっていないので、偶然隣になった雪ちゃん。
「なにが変なの?」
「今朝さ飯田さんの席に座ってたら、いきなり『雪ちゃん』って声かけてきたんだよ。全然違うのにさ」
あ――。
今朝間違えて声をかけてしまった子だと気がついた。
全身が冷たくなって行くのを感じる。
「なにそれ、ちゃんと顔見てなかったってこと?」
「たぶんそうだよね。それか、元々飯田さんの顔を覚えてなかったとかさぁ」
「えぇ、それってどうなの?」
「ね? 友達じゃないよね」
2人はメーク直しでもしていたのだろう、トイレに入ることなくクスクスと笑い声だけを残して出ていくのがわかった。
『友達じゃない』
その言葉がいつまでも私の脳裏に残っていたのだった。