彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
明日は平日で特別な休みでもなんでもない。


すると男はまた少し笑って「そうじゃなくて。放課後のこと」と言った。


一瞬キョトンとしてしまったが男が言わんとすることが理解できて、慌てて視線をそらした。


「ここに来ることもできますが……」


昼休憩中にキンパが先生に相談してくれて、本当にしばらく私が1人で花壇係を受け持つことに決まったのだ。


もしできない日があれば、遠慮なく誰かに頼ることを条件として。


「そっか。じゃあ、また明日ね」


彼は優しい声でそう言い、行ってしまったのだった。
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