彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
私は大きく息を吸い込んで目を閉じた。


花壇の様子を思い浮かべてみる。


水に濡れる花々。


天へと伸びている急ぎ良さ。


まっすぐに咲き誇る気高さ。


私よりもずっと小さな花たちは私よりもずっと強い生き物のようのだった。


大丈夫。


無理なら教室から出ればいいだけだ。


自分にそう言い聞かせると心は落ち着いていき、ようやくいつもの自分に戻ることができたのだった。
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