彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
「今日も午前中だけクラスに行ってみました。そしたら、私に声をかけてくれる子がいて、嬉しかった」


「そうなんだ。その子とは友達になれそう?」


その質問には残念ながら答えられなかった。


これから関係を取り戻して行けるかどうか、まだ自信はない。


黙り込んでしまった私の頭の上に彼が手を乗せた。


びっくりして一瞬身構えたが、彼は優しくぽんぽんと頭をなでてくれる。


その暖かさにまた鼓動が早くなってしまう。


それをさとられないように花壇に集中する。


「ゆっくり、自分のペースでいいよ」


「はい」


私の胸にはいつの間にか薔薇のようなキレイな花が咲いていたのだった。
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