彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
そしてまた「頑張ったね」と頭をなでてもらいたい。


「目障りだって言ってんの!」


私の言葉を遮るように坂下さんが怒鳴る。


その声は教室中にこだましてみんなの談笑までかき消えていた。


静まり返った教室内でみんなの視線を集めているのがわかった。


居心地が悪くて今すぐ逃げ出してしまいたくなる。


それでも私は両足を踏ん張ってその場に立っていた。


恐怖で両足がガクガクと震えて崩れ落ちてしまいそうだ。


そんな私を見下ろす3人はまるで大きな野獣のようにも見えてくる。


「あんたの居場所はこのクラスにはないの。まだわからない?」


「そんな……」


私の机はまでこの教室にある。


私はまだA組の生徒だ。


そう思って、願うような気持ちで教室内を見回した。


誰もが私から視線をそらしている気がした。


下を向く者、慌てて漫画で顔を隠す者、それにわざとらしく寝たフリをする者。


それらを見るたびに背中に嫌な汗が滲んでいく。


私の居場所はこのクラスにはない?


本当に?


心臓がぎゅっと押さえつけられるように痛くなって、近くの机に片手をついた。


今は足だけじゃなく体全体が震えてきて、支えていないと立っていられない。
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