彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
☆☆☆

ベッドに突っ伏して今日の自分を反省する。


クラスメートたちはみんな優しくて私のことを心配してくれているのがわかった。


だけど私は坂下さんたちの言葉に怯えてしまって、花壇へ行くことができなかったのだ。


もし、もう1度彼と一緒にいるところを見られたら私はどうなるのだろう?


そう考えると足は自然と花壇とは逆の校門の方へと進んでしまった。


花壇係りをサボった上に、佳太くんとの約束を破ってしまう結果になった。


佳太くんはきっと今日も花壇に来ていたはずなのに、私は――。


クッションを頭の上から押さえつけて、マットに顔をうずめて大声を上げる。


もしかしたら坂下さんは佳太くんが花壇にいると知って、今日会いに行ったかもしれない。


坂下さんは私なんかよりも恋愛経験がありそうだから、すぐに異性と仲良くなれるだろう。


2人が付き合いはじめることとかも、あるかもしれない。


そこまで考えて、また大きな声を上げた。


私の声はマットとクッションがかき消してくれる。


どうしようもない感情がいつまでも胸の中にくすぶり続けていたのだった。
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