彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
☆☆☆
「どうしたの? フラれたの?」
そんな質問を直球で投げかけてくるのはお母さんしかいなかった。
最近は花壇の世話もしなくなって帰りが早いし、明らかに落ち込んでしまっている私を見ての反応だ。
「フラれてなんてないよ」
私はもごもごと口の中だけで返事をする。
告白もできていないのだからフラれることはない。
あ、だけど佳太くんには彼女がいるかもしれないんだ。
そう思い当たって、また落ち込んでしまう。
私は本当に佳太くんのことを何も知らなかったみたいだ。
名前や学年だって聞いたことがない。
花壇にいた頃にはいつでも会えると思っていたし、そういう質問をすることが無骨なことだと感じられていた。
だけど今になっては後悔するばかりだ。
「どんなことがあっても、お母さんは知奈の味方ですからね!」
お母さんは元気よくそう言って、私の背中を痛いくらいに叩いたのだった。
「どうしたの? フラれたの?」
そんな質問を直球で投げかけてくるのはお母さんしかいなかった。
最近は花壇の世話もしなくなって帰りが早いし、明らかに落ち込んでしまっている私を見ての反応だ。
「フラれてなんてないよ」
私はもごもごと口の中だけで返事をする。
告白もできていないのだからフラれることはない。
あ、だけど佳太くんには彼女がいるかもしれないんだ。
そう思い当たって、また落ち込んでしまう。
私は本当に佳太くんのことを何も知らなかったみたいだ。
名前や学年だって聞いたことがない。
花壇にいた頃にはいつでも会えると思っていたし、そういう質問をすることが無骨なことだと感じられていた。
だけど今になっては後悔するばかりだ。
「どんなことがあっても、お母さんは知奈の味方ですからね!」
お母さんは元気よくそう言って、私の背中を痛いくらいに叩いたのだった。