Tear Flowers〜Remember Me〜

「今日は髪、編み込みしてるんだね。よく似合ってる。レティシアはおしゃれだね」

毎回、リーマスはあたしのちょっとした変化にも気付いて褒めてくれる。あたしの周りにいる男の子よりリーマスはずっと大人っぽくて紳士だ。

「嬉しい、ありがとう！美容師のお母さんに教えてもらいながら挑戦したの。うまくできてよかった」

「……レティシアのお母さん、美容師なんだね」

どこか、リーマスな顔は寂しそうだった。あたしが首を傾げていると、お父さんの仕事は何か訊いてくる。あたしは不思議に思いながらも答えた。

「あたしのお父さんは弁護士をしてるわ」

リーマスの目は悲しみに揺れていた。いつもと様子が違う。あたしが「大丈夫？」と言おうとした刹那、リーマスに抱き締められていた。

ドクドクと互いの心臓の音がうるさい。初めて男の子としたハグは、やけに胸が苦しくて熱い。でも、あたしは何も言うことができなかった。そんなあたしの耳元で、リーマスが優しく囁く。