Tear Flowers〜Remember Me〜

「僕のことは忘れて。君は幸せになるべき人だから。君の未来が明るいものでありますように……」

あたしを離したリーマスは、今までで一番悲しそうな顔をして微笑んでいた。そして、あたしが呆然としている間に背を向けて去っていく。

どういうこと？行かないで！言いたいことはたくさんあったし、彼の手を掴んで止めたかった。でも、あたしの体はまるでそこに縛り付けられたみたいに動かなかったの。

そして、その日を最後にリーマスはあたしの前から姿を消した。もう会えない、そうわかった時に胸が痛くなって、アイリスの花の中で声を上げて泣いた。この胸の痛みが、温もりが、涙が、恋という感情なのだと初めて知った。そしてあたしは、「その人の一番大切なものを見る力」を手に入れたの。

あたしはずっと、リーマスを探し続けている。あなたはあたしの初恋の人で、今も心の中でその想いが生きているから……。



恋愛ドラマが盛り上がる中、フィオナはレティシアがボウッとしていることに気付く。その目はドラマではなく別のものを見ているように感じた。

「レティシアさん？」