Tear Flowers〜Remember Me〜

「正直言ってまだわからない。ただ、他人だとすればあんなにも顔が似ているのか気になるし、本人だとすればレティシアさんを避ける理由がわからない」

約一ヶ月だったとは言え、レティシア時リーマスの仲は深まっていたはずだ。感動の再開だったはず。

その時、フィオナのスマホに電話がかかってくる。シオンからだ。

「もしもし？」

フィオナが電話に出ると、「大変だ！さっき力を使ったら……」と慌てたシオンの声が響く。いつも冷静なシオンが慌てているなど、よほど大きなことが起きているのだろう。

「レティシアの居場所を探ったら、リーマスさんもどうやら一緒にいるらしい。そしてあの五人も。でも、その場所が人気のない森の中なんだ」

「仲のいい刑事の心を読んだら、衝撃的な事実がわかったぞ」

シオンのあとにフリージアがリーマスの過去を口にする。それは、リーマスはとあるマフィアの幹部の息子だということだった。

「リーマスさんは縁を切ったらしいが、マフィアに恨みを抱いている人間にとってそれは関係のないことだろう。……二人の命が危険だ！」