Tear Flowers〜Remember Me〜
犯人はあの五人だった。五人と、マーティー・ブラックローズが協力して拷問死させていたのだ。

「一刻も早く助けに行ってほしいから、力を使うよ!」

サルビアの声が聞こえた刹那、フィオナとエヴァンの体がふわりと風に浮く。そのまま風はレティシアのいる場所へと飛んでいった。

途中で同じく風によって飛んでいるレイモンドと合流し、フィオナたちを運ぶ風はさらにスピードを上げる。

(どうか、間に合って……!)

フィオナは拳を握り締めた。



森の奥にある小さな小屋、そこにレティシアはいた。椅子に座らされた体は縛り付けられている。そんな彼女の目の前には、同じく椅子に縛り付けられたリーマスがいた。

レティシアは、リーマスだと確信して毎日のように会いに行き、どんなに「違います」と否定されても諦めることはなかった。想いがまたレティシアの中で動き出し、「この人はあのリーマスだ」と叫ぶからだ。

「リーマス、今日も来たわ」
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