Tear Flowers〜Remember Me〜
「証人保護プログラム?」

リーマスが呟き、シオンが説明をする。

「本来は、事件の被害者が犯人から身を守るために使う制度だ。戸籍から名前、住所、全てを変えて新しい人物として生きていく。でも、これは被害者だけが使う制度じゃない。犯罪事件を起こした加害者家族が身を守るためにも使えるんだ」

別人になれば、呪いを背負って生きていかなくてすむ。リーマスの瞳から涙がこぼれ落ちた。そんなリーマスをレティシアが抱き締める。

「二人にしてあげよう」

レイモンドがそう言い、フィオナたちは先に部屋に戻ることにした。



その後、リーマスは証人保護プログラムを使い、リーマス・プリムラからハリー・ステファノティスという新しい人物に変わった。そして、レティシアの近くに家を借り、大好きな花屋でまた働き始めたそうだ。

「彼、とっても素敵な人なの!あんな人と結ばれて幸せだわ」

レティシアは幸せそうにようやく恋人になれたハリーのことを話す。その様子を見て、フィオナたちはホッとするのだ。

「いつか、僕の気持ちも届いたらいいな……」

フィオナの隣で、そっとエヴァンが呟いた。
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