Tear Flowers〜Remember Me〜
「そんなことないわ。人は何を好きになってもいいと思う。周りが何と言おうと、好きになったものを簡単に嫌いにはなれないわ」

あたしがそう言うと、リーマスは瞳を少し潤ませていた。学校で友達に揶揄われたりしているのかな……。

「ありがとう。レティシアのおかげで元気が出たよ」

夕方になり、そろそろ家に帰らないといけなくなった時、リーマスは笑って言ってくれた。でも、その顔はどこか切なそうで、手を伸ばさなければ消えていってしまうような気がしたの。

「またここに来てくれる?もっとあなたと話したい」

あたしは何も考えず、自然とその言葉を口にしていた。リーマスは驚いた顔を一瞬見せてから、「嬉しい」と笑う。

アイリスの花畑で出会ったあたしたちは、会う約束をして家に帰った。

それから、あたしはリーマスに会うために花畑に足を運ぶようになった。リーマスに少しでも会えて話せたら嬉しくて、心が温かくなっていく。ただ話すだけなのに、「可愛いって思ってもらいたい」とおしゃれをして花畑に行くことも増えた。
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