その甘いキスにご注意を ~鬼上司の顔の裏に隠された深い愛情と激しい熱情~
営業部……?
どうりて、見ない顔だと思った。
私は総務部に所属していて、主に書類作成を担当している。
でも、その書類作成も企画部からの依頼を担当しているので、営業部とは関りがない。
私がまじまじと彼のネームプレートを見つめていると、ふと、斜め上から「ふふっ」という吐息に近い笑い声が聞こえた。
「そんなに気になる? 僕のこと」
「えっ、あ、いや……」
しまった、見つめすぎた。
少し恥ずかしくて、ちょっとだけ顔が熱くなる。
「営業部……私は総務で企画部から依頼された書類作成を担当しているので、こうして話すのは初めてだな、と……」
なにも後ろめたいことは言ってないはずなのに、最後の方に少し声がモゴモゴしてしまった。
くそう、ここで学生時代の陰キャな性格&口調がでるとは……恥ずかしい。
私が食事に戻ろうとすると、田浦さんは私のネームプレートを覗き込んできた。
「あ、ほんとだ。総務って書いてある」
「~~~っ!」
なんなんだ、この人は。
ネームプレートを覗き込む顔が近い。
私がどぎまぎしていると、彼は顔の向きはそのまま、目線だけ上目遣いに私の目を見つめてきた。
「綾瀬っていうんだ。下の名前は?」
「る、瑠香です……」
私の答えに、田浦さんは「ふぅ~ん」と相槌を打つ。
……なによ、人の名前を聞いて『ふぅ~ん』って。
「僕、田浦誠。よろしくね」
「あ、はい。よろしくお願いします……?」
よろしくって、仕事でもあまり関わることもないのに……なんというか、展開が早い。
そういえば、会社では普段あまり人と話さないこともあるけど、私はあまり人に流されない。
でも今は……なんでだろう、田浦さんのペースに完全に合わせられている気がする。
これも営業部の力なのだろうか……。
どうりて、見ない顔だと思った。
私は総務部に所属していて、主に書類作成を担当している。
でも、その書類作成も企画部からの依頼を担当しているので、営業部とは関りがない。
私がまじまじと彼のネームプレートを見つめていると、ふと、斜め上から「ふふっ」という吐息に近い笑い声が聞こえた。
「そんなに気になる? 僕のこと」
「えっ、あ、いや……」
しまった、見つめすぎた。
少し恥ずかしくて、ちょっとだけ顔が熱くなる。
「営業部……私は総務で企画部から依頼された書類作成を担当しているので、こうして話すのは初めてだな、と……」
なにも後ろめたいことは言ってないはずなのに、最後の方に少し声がモゴモゴしてしまった。
くそう、ここで学生時代の陰キャな性格&口調がでるとは……恥ずかしい。
私が食事に戻ろうとすると、田浦さんは私のネームプレートを覗き込んできた。
「あ、ほんとだ。総務って書いてある」
「~~~っ!」
なんなんだ、この人は。
ネームプレートを覗き込む顔が近い。
私がどぎまぎしていると、彼は顔の向きはそのまま、目線だけ上目遣いに私の目を見つめてきた。
「綾瀬っていうんだ。下の名前は?」
「る、瑠香です……」
私の答えに、田浦さんは「ふぅ~ん」と相槌を打つ。
……なによ、人の名前を聞いて『ふぅ~ん』って。
「僕、田浦誠。よろしくね」
「あ、はい。よろしくお願いします……?」
よろしくって、仕事でもあまり関わることもないのに……なんというか、展開が早い。
そういえば、会社では普段あまり人と話さないこともあるけど、私はあまり人に流されない。
でも今は……なんでだろう、田浦さんのペースに完全に合わせられている気がする。
これも営業部の力なのだろうか……。